ネガティブな自分をポジティブに変えるには

私は、自閉症スペクトラムで大学院在籍中に行き詰ってうつ病で入院し、障がい者雇用からの再チャレンジで10年かけて正社員登用を勝ち取った人間です。自分が病気や障害を克服していく上で気づいたこと・実践してきたことなどを書いていければと思っています。

 私はもともと、ありとあらゆることを否定的に考えてしまう超ネガティブ人間でしたが、今ではポジティブな人間に変わることができました。そのきっかけは、うつ病で苦しんでいる時に

「ネガティブに考えていることで、自分で自分をしんどくさせている」

と気がついたことでした。自分で自分自身に対して「誰々にこう思われているのではないか?」「誰々を傷つけてしまったのではないか?」「嫌われたらどうしよう?」「いくら努力しても人生良くならないのではないか?」と追い込んでしまっていたのです。

こうした問いを自分自身に問うても答えなんて分からない。いくら考えても答えが分からないことに時間を費やすのは無駄でしかない。考えれば考えるだけしんどくなるのだったらますます無駄でしかない

ということに気がついたのです。

 

 ネガティブに考えてしまうのは癖なので変えていくことは簡単ではありません。私は最初、自分の考えが自分をしんどくさせるような方向に流れてしまいそうになったと感じた瞬間に、「あぁっー」「はっ」という奇声を発して一旦白紙に戻すことを習慣づけしました。そしてプラスマイナスゼロにしてから、自分のマイナスの考えの逆の考え方はできないかを探す訓練をしたのです。ネガティブのネガティブ(=ポジティブ)を探すあるいは「マイナスのマイナスはプラス」と私は呼んでいますが、自分の否定的な考えを否定する引き出しを1つ1つ増やしていく努力をしていきました。1つ1つのことに「心を楽にする捉え方はこうだ」という答えを探していくので、もちろん時間がかかります。ネガティブな自分をポジティブに変えていくのは一朝一夕ではできませんが、その努力は必ず報われます。自分一人でできないなら、適切な人に相談して答えをもらって素直にそう考えるように努力するのもありだと思います。

 前向きになれる言葉は、本や漫画、ドラマ、あるいは人付き合いを通して集めることができます。私は、スーパーで働いているのですが、ある人から「在庫の多さはやる気のバロメーター」という言葉を聞いたことがありました。スーパーでは、商品を発注しすぎてしまうと売れ残って値引きになり、利益が残らなくなってしまいます。ですが、商品をたくさん発注するということはそれだけの商品を売ってやるぞというやる気の表れという風にも受け取れるのだなぁと思ったのです。ですからパートさんがちょっと発注しすぎたというような時には、この言葉を持ち出して頑張って売ろうねと声掛けするようにしています。前向きになれる言葉の引き出しを増やすとまわりの人をしあわせにできます。

 心を病む人でありがちな思考を一例として挙げると、例えば誰かと誰かが談笑していた時に、「自分のことを馬鹿にしてあざ笑っているのではないか」と思ってしまったりするのです。実際にそうである可能性はゼロではありませんが、そこを「楽しそうにおしゃべりしているな~」と思うようにするのです。

自分がしんどくなる考え方というのはたとえ事実だとしても間違いで、心が楽になる考え方は事実ではなかったとしても正解

だと言い聞かせています。心が楽になる考え方の引き出しを増やしていく努力は誰でも今この瞬間からできます。時間がかかりますが、幸せになるには一番の近道だと思うので頑張ってほしいです。

 

まとめ

  • 考えても答えが出ないようなしんどくなることを考えるのは時間の無駄
  • 良くない方に考えが傾きそうになったら声を出して発散し、いったん打ち消す
  • 打ち消してから心が楽になる考え方を探す
  • 心が楽になる考え方の引き出しをコツコツ増やす
  • 「しんどくなる考え方=間違い。心が楽になる考え方=正解」と言い聞かせる